ザトウクジラ
慶良間に回遊してくる
ザトウクジラ

世界中の海に生息するザトウクジラは、季節ごとに餌場と繁殖場を回遊します。
北太平洋を回遊するザトウクジラは、夏は北の冷たい海域へ北上し、アリューシャン列島やアラスカ周辺などで餌を食べて過ごします。 冬は南の暖かい海域へと南下して日本の沖縄や奄美諸島、ハワイやメキシコなどで繁殖や子育てをします。
ザトウクジラは
「ヒゲクジラの仲間」
ザトウクジラの体長は12〜14m、体重30〜40tほどある哺乳類です。
慶良間のウォッチング船と同じくらいの大きさで、その特徴は頭部にある「こぶ状の突起」や「長い胸びれ」です。胸びれは、体長のおよそ3分の1の長さがあり、尾びれの幅も胸びれとほぼ同じ長さ。歯の代わりに口の中に「ヒゲ」があるヒゲクジラの仲間で、採餌海域ではオキアミや小魚の群れを海水ごと捕らえ、ヒゲ板でこしとって食べています。
下顎の先から腹にかけて「ウネ」があり、捕食の際に役立ちます。尾びれのお腹側の模様やフチのギザギザの形状が1頭ずつ異なり、この特徴を利用して慶良間諸島のホエールウォッチング協会では、「ザトウクジラの個体識別」をおこなっています。
ザトウクジラは、毎年12月頃から慶良間諸島を含む沖縄周辺に帰ってきてオスとメスが繁殖行動を始めます。約1年の妊娠期間を経てあたたかい海で出産し、母クジラが子クジラを育てたのち、春も未来へつなぐために3月末頃まで滞在します。
このように慶良間諸島は繁殖地であり、毎年のように慶良間諸島に帰ってくる個体数の多さが特徴となります。
なぜ、沖縄と慶良間諸島に
ザトウクジラが集まるのか?
島に囲まれた慶良間諸島の内海は海が穏やかで子育てにいい条件が揃っているため、
親子クジラが多く集まり、交尾の機会を求めて、それ以外のオスのクジラも次々と集まってきます。
クジラにとっての
過ごしやすい条件とは!?
- 島に囲まれた波静かな海域のため、泳ぎの未熟な子クジラでも過ごしやすい
- 風向きが変わっても、どこかに穏やかな海が見られる
- 静かな島陰で安心してゆったりと授乳や休息ができる
- すぐ出会いにも繋がるザトウクジラが好む浅い海域が点在し、母クジラにとっては、時に子育ての際に寄り添えるオスクジラと居場所を作ることができる
- 水深が深く、また深く潜れるザトウクジラの育成には最適な環境
だから安心して子育てができる
クジラが安心できる、
クジラが守られる海域
慶良間諸島の内海は、こういった条件が揃っていたから
ザトウクジラにとって重要な繁殖海域の一つになったのです。
ザトウクジラの繁殖海域
沖縄の冬は、慶良間の
クジラと一期一会
冬になると、慶良間の海に帰ってくるザトウクジラの姿に、島のみんなが「ああ、帰ってきた」という気持ちになります。ザトウクジラは人と同じくらい寿命が長く、地球規模で季節に合わせて移動します。
毎年、片道数千kmの旅をしながら生涯を過ごします。北太平洋群では、夏はロシアやアラスカなど高緯度の冷たい海域で餌を食べて栄養を蓄え、冬は沖縄やハワイ、メキシコなど低緯度の暖かい海域に南下して繁殖や子育てを行います。

ザトウクジラの
行動パターン
ザトウクジラを観察していると、時にさまざまな行動をとっている姿を見ることができます。
子育ての母親がじゃれあうような時があって、古い皮膚や寄生虫を落とすためだったり、アピールだったり、威嚇だったり、気持ちの表現だったり、音でコミュニケーションを取っているのではないかなど、本当のところはよく分かっていません。
この時期のザトウクジラの母親などは、何のためにどの行動をしているのか、そんな大きな体がどのように動くのかを、よく観察して想像を楽しんでみてください。
クジラの噴気ブロー
呼吸をするために海面まで浮上して吐く息、クジラの息継ぎです。3~5mほど白い息が吹き上がり、遠くからでも目立つため「クジラ探索の目印」になっています。

胸びれで海面をたたくペックスラップ
長い胸びれを海面から出し、次に海面に打ちつけます。体を横向きにして片方の胸びれで海面を叩いたり、仰向けになり両胸びれで交互に叩いたりします。

尾びれで海面をたたくテールスラップ

背中かお腹を上にして尾びれを高く持ち上げてから振り下ろし、海面に叩きつけます。大きな音と水しぶきが上がります。
全身で大ジャンプするブリーチ

体長の3分の2、または全身が海面から飛び出す大ジャンプ。そのまま海面に落ちて大きな水しぶきが上がり、歓声が上がるほど迫力満点の光景です。
ギョロリと周囲を眺めるスパイホップ

海面付近に目の位置が来るように垂直に頭部を持ち上げて、キョロキョロと周りを見回したあとゆっくり沈みます。
フルークアップ
/ダウンダイブ

息継ぎの後、尾びれを真っすぐに水面に持ち上げるフルークアップダイブ。尾びれを上げずに静かに潜っていくフルークダウンダイブ。次の息継ぎまで、5~20分ほど海中で過ごします。
ザトウクジラの
個体種別
ザトウクジラは、尾びれのお腹側の模様やフチのギザギザの形状が1頭ずつ異なります。人間の指紋のように識別・照合できる特徴を生かして、慶良間村ホエールウォッチング協会が1991年に設立されて間もなく、ザトウクジラの個体識別の調査が始まりました。
慶良間諸島の近海で確認されたザトウクジラの尾びれ写真を収集し、1頭ごとに「ZA-1」のようにIDを振り分けた「個体識別」を行い、写真や詳しい情報を1頭ずつ記録しながら、ザトウクジラの成長や移動距離・個体や行動などを把握しています。
個体識別の総数は、現在1,800頭以上。
愛称がついたクジラもいて、ザトウクジラの生態を知るだけでなく、ホエールウォッチングの活動にも反映されています。
ZA-8 Z(ゼット) ♂
1990年から30年以上確認されている、座間味で最も有名なクジラ。尾びれの右側にくっきりアルファベットの「Z」が見えます。

ZA-177 ホワイトレディー ♀
胸びれの背側も白く、水中を泳ぐ姿が水面越しに青白く輝いて見えます。1999年からほぼ隔年で、子どもを連れて帰ってくる母クジラです。

ZA-186 すぬーぴー ♂
尾びれの中の黒点が、スヌーピーの顔のように見えることから名づけられました。2000年から毎年のように確認されているオスのクジラです。

ZA-550 ラフィゾー(RuPhiZO) ♂
北西太平洋の各地で確認されていて、確認された場所のロシア(Ru)フィリピン(Phi)渡嘉敷(Z)小笠原(O)の頭文字から名付けられました。

ZA-609 あゆみちゃん ♀
2006年に初めて確認された当時、体が小さい赤ちゃんだったため、同じ年に座間味で産まれた子どもに因んで名がつけられました。

ZA-1451 スワン ♀
2015年に生まれたメスのクジラで、当時お母さんクジラと一緒にいるところを初めて確認され、その後2024年に赤ちゃんクジラを連れて帰ってきてくれた。

ZA-1880 エイチ(H) ♀
真っ白な尾びれの右側に「H」の模様があることから、名づけられました。2025年に初確認された時に連れていた子クジラも真っ白なテール。親子でよくブリーチしていました。

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